

宮田-ネットの今までの売り方って、SEO・リスティング広告・アフィリエイト広告とかですけど、口コミ経由で背中を押されないと売れないという風に変わってきましたね。
出口-もともとメーカー発信の情報は"広告"という意味ですからね。実は私、インターネットってすごく受け身な媒体だと思っています。
宮田-2001年当時はWEBで情報を発信する方は"発信"という意識はなかったと思います。最初はただ自分のHPを持ちたいという時代だったので、それとコミュニケーションが同時にできるスペースが実はなかったんです。"コミュニケーション"といえば意見を交換する『掲示板』とかで一定の同じ興味を持つ人が集まると一定の情報が回ってくる。参加者は「お邪魔している」という状態ですね。個人はもっと多様なのでその多様なものを表現できる場を提供したいということで"関心空間"を提供していたんです。ただ、その考え方が早すぎて・・・。
出口-2001年は早すぎましたかね。
宮田-そうですね。なによりその情報発信とコミュニティを一緒にするっていう考え方の説明ができませんでした。
出口-9年前(2001年)というと、アマゾンや楽天が大衆に認知されてネット通販が流行り始めたころですね。ものすごい先見の明ですね。
宮田-いえいえ。
出口-いまやどこのECショッピングモールも商品のレコメンドを付けていますよね?
宮田-そうですね。今までは割とそれがばらばらにあったんですよね。関心空間のシステムを各企業に使って頂くサービスでも、最初は一つのテーマについて話すだとか、同士が集うだとかいう、まさにコミュニティサイトだったんですよ。
弊社のクライアントでアウトドアグッズを販売するスノーピーク社にEコマースの支援ツールとして関心空間のCGMコミュニティを導入いただきまして・・・ネット通販の方の最初の購入するとき行う会員登録時に『コミュニティに参加する』というボタンを設けコミュニティの方の会員を集めました。最初、会員目標1万人でスタートしましたが、ECの伸びと呼応して今では3万5千人もの顧客が集まるコミュニティになったんです。コミュニティに参加し、同じ商品を共有する者同士交流を図り、顧客同士、さらにはメーカーと顧客の距離が近づいて賑わう。お客様からするとそこに価値を見出して頂けたのだと思います。そういう経緯があって、弊社もEC支援事業を本格的に始めたいと考えていたのです。
出口-なるほど~。
宮田-実はみんな書き込みを見た後はすぐに次の"買う"という動作に移りたいんです。結構、検索してパッと出てきたものを"買える"と思っているお客様って多いですよね。当社で運営している「関心空間」は情報サイトなのですが、実際、"どうやったら買えるのか"っていうお問い合わせも多いです。従来の関心空間のコミュニティエンジンにはEC連動機能は付いていないので、売っているメーカーさんのご紹介をして、問合せを頂いた方ご自身でアクセスしてもらっていました。
出口-そういうお客様を取りこぼすのは、メーカーさんにとっては惜しいですよね。検索して出てきたものをそのまま買える。そういう"速さ"って大事ですよね。特に、インターネットが普及し、ECが一般的になってきた現在では。
宮田-また、そうやってお客様からお問い合わせ頂けるのはコミュニティに書いてあることがメーカーさんのいわゆる"宣伝文句"ではなく実際に使用している生の声だったからこそ信頼して商品の"良さ"を感じてもらえたのだと思います。

出口-今までのEC機能にも商品レビューを書き購買率を上げるという仕組みはありましたが、従来のそれと今回私たちがリリースするコミュニティECパッケージの違いは、前者はお客さんが「この商品が欲しい」と思って検索した結果に付随してレビューを見るのに対し後者は逆で、何となく口コミを見て「良いな」と思って購入に結び付く。つまり、"売る側"が発信している情報からではない入口というところですかね?
宮田-そうですね。
出口-一般的なECにあるレビューも口コミは効果が高いので、今やネット通販では当たり前の販促手段ですからね。コミュニティECは、口コミを読んでそれによって商品に興味持ってもらって、しかもその時点で買える。そこが従来のECパッケージ機能のレビューと差別化できるところですね。
宮田-もうひとつ、ECに本格的なコミュニティ機能を付ける良いところは、お客様は"コミュニティを覗きに来る"という感覚でまた来てくれるところですね。そして実はその"覗きに来る"感覚のもう一つの良いところは、お客様からみれば、そのコミュニティは自由に交流できる場であるので商品の良いところだけじゃなくて、"悪いところ"っていうのも書いてくれるんですね。企業側はそれを削除せず、受け入れることで商品改善にもつながるし、お客様を大切にしていることも伝わり信頼も得ることができるんです。

宮田-企業側にとって従来よりも低コスト・効果大のマーケティングツールとしての可能性を秘めていると考えています。
出口-私もそう思います。従来はどこかのブログで反響のあるワードをマーケティングツールによって探し出し、そこからニーズを汲みとり商品を揃えるということを各企業の方されていたと思いますが、コミュニティECはそこにお客様が集まりその場で情報(ニーズ)が発信されているので探すという手間がなくなると思います。
宮田-さらに言うと、コミュニティで企業が直接情報を発信することでメルマガ以上に効果を上げることができると考えています。メルマガが読まれるかどうかはお客様次第なのに対し、お客様と企業が同じ目線で交流できる土台ができているコミュニティではそれが自然に受け入れられる確率が高いためです。最近のツイッターを用いた販売戦略に似ているかもしれませんね。
出口-口コミは蓄積されていくので、永続的かつ強力なSEO対策にもなるでしょうね。
宮田-それも間違いないですね。実際、今運営している"関心空間"は80%くらいが検索から来てますから。

出口-出会うのは運命だったんじゃないかと思います(笑) 私はもともと創業当初から、情報がプッシュされた時点で商品が買える仕組みじゃないと今後ECは厳しいんじゃないかと感じていました。Suicaなどの"電子マネーの普及"に見られるように今後は"手間"を省く時代。EC業界にもその要素が必要だと感じてました。
宮田-だから、そう思っていたときにタイミング良く出会った、うちの"コミュニティ"というツールが、出口さんの考えに上手いことハマったということですね。
出口-そうなんです。
宮田-関心空間側でも"モノ売りと繋げていくことでCGMソリューションの事業を伸ばしたい"と考えていました。そこでECに強いパートナーさんを探していたんです。その際重要視していたのが、実際に商品がお客様に届くところまでに精通している企業という点でした。そう言った点でイマージュソリューションズさんのところは、"ECのシステムを作っただけでは終わらない、その後からがスタートだ"と仰っていて、EC構築後の運用から物流までの仕組みをされているところに、こちらも巡り合せを感じました。
出口-そう言って頂けると嬉しいですね。今後が楽しみです。
宮田-私も今後が楽しみです。

宮田-今後コミュニティEC のようなソーシャルマーケティングには"オープンであること"が必要だと思うんです。というのも、コミュニティECは、顧客同士はもちろん、顧客と企業の距離も近いので、競合同士勝ち負けを争うっていうのもお客様側に見えてしまう可能性があります。
出口-ツイッターにも見られるように、情報の流れは速いですからお客様から"不快だな"と思われてしまうとすぐに広がってしまいますよね。その危険性は、どのように考えられますか?
宮田-確かに危険性は潜んでいますが、コミュニティECを運営していても運営していなくても同じことです。既にツイッターなどがありますから。だから"企業側は競合の商品も褒める"くらいの大きな心構えでコミュニティを運営していくべきでしょうね。そうすることのメリットとしては、例えば、競合他社の商品を褒めて"負けてるなぁ"とか書き込んでコミュニティ内で自社商品の改善案募るとか...そういう親近感あるのはお客様の意見も集まると思いますし、次の商品への期待も高まりますよね。
出口-コミュニティでは他社と競争してお客様の囲い込みを行う、というより他社製品・サービスの良いところも認めつつ、そこからお客様と"一緒に"やっていこうっていう姿勢が大切なんですね。
宮田-そうです。
出口-囲い込みをしないという点では、従来のECの考え方にはないですね。でもお客様に"親近感"を持ってもらうっていう点ではすごく大切なことですよね。
宮田-はい。ファッションに関してなんですが・・・最近は単価が下がってきていてお客様はリーズナブルな服の"組み合わせ"を楽しむというのが流行りなんですよね?
出口-そうなんです。でも、意外に一般の方のブログで紹介されている商品は単価高めでも売れるんです・・・と言うのもモデルとかではない普通の方で自分と体形が似てる人がその服をオシャレに着こなしていたら単価高めでも"買おうかな"って思うらしいんです。実際にブログで服のコーディネイトを紹介している方で"ブログ良かったので買ってみました"っていうコメントも多いみたいですね。
宮田-物を売ることに関しても、認知度も大切ですが、ヒトとヒトとの親近感のあるものが今後望ましいのでしょうね。ヒトって、何かの後押しが必要なことが多いですからね。物を買う時も似たものが好きな人同士の言葉って大きいですし、それを実現するためにも参加者みんなが自分を出せるオープンなコミュニティを展開したいですね。



